ひと昔、いやふた昔前に親子丼の食べ歩きをしたことがある。
いわゆる、B級グルメというか、日常的な食べ物の隠れた名品名店を捜し出そうという、街歩きの遊びの一種である。今ならマイブームとでも云うのだろうか。
ところで、県庁チームのアイデアと民間パワーと昭文社さんとの連携で、『サーベイ青森』というガイドブックが出版された。
これは青森県のいいところ・味どころをジモティ(土地の者)それぞれが、本気度いっぱい、しかし遊びごころもいっぱいに、データ収集して歩き、的確に寸評したものである。
版元さんによると、全国初の試みで、このパターンをあちこちで展開してみたいとのことである。ぜひ本屋さんで手にとってもらいたいと思う。
さて、北半球はいよいよ世界的に夏である。
夏と云えばやはり枝豆に、冷やっこ。かつ、ネギや和芥子を薬味として納豆も加えてみようとなる。
原稿を覗いた、妻・三千代が、「あなた、冬でも豆腐・納豆だし、オールシーズンじゃないの」と口をはさんだのだが、その通りではあっても、敬愛する大岡信先生の『折々の歌』なみに、気温・湿度・天候によって、また折々の薬味によって、まして夏はガラスの器等々、工夫すれば、「豆腐・納豆の味わいは四季折々千差万別なのである」と云い返した。
ちなみに、寿司屋さんでも必ず納豆巻きを食す自分である。
豆腐・納豆世界の味わい深さと、繰り返すけれど、千差万別の楽しみには尽きるところがない。
夏はこれに、枝豆という全国各地が競いあっている旬の御馳走が加わる訳となる。毛豆、豊丸、福丸、ンー、真夏が待ち遠しい。
ただ、これを書きながら、かつて東京住いの時によく通った、赤坂「豆腐屋」の夏だけの「滝川豆腐始めました」の品書きが頭に浮かんで来て離れなくなった。
減塩運動を展開している自分としては、ちょっと江戸味でタレが塩分ビンビンしょっぱいけれど、「滝川豆腐」食べたい!食べたい!
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