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VOL.22 [2006.2.28]
早寝早起きオリンピック

 トリノオリンピックは女子カーリング以来、ついに閉会式まで見てしまった。7競技84種目いろいろみたけれど、何度かの午前3時スタートはさすがに効いた。
 清く正しくバタンキューの早寝の体となり、行ってもいないイタリアの時差に適合している。
 早起きしてだらだらとTVも見たけれど、競技を見疲れた時は読書に切り替えたので、厚手の文庫本計3冊読めたから、早寝早起きは確かに三文ならぬ3冊の得かもしれない。
 そんなこんなで10日あまり過ごすうちに、時差とは奇怪なもの、地球はやっぱり丸いようだと改めて肌で感じた。
 船旅の時代までは、時差がどうのは多くの地球人には関係の薄いことだったわけだが、大型ジェット旅客機による世界旅行が一般的となって、また通信技術の飛躍的進歩によって、時差は至極身近なものとなった。
 さて自分が経験した最もハードな海外体験は、文科大臣に同行しての2泊4日、羽田⇒ソウル⇒モスクワ⇒北京⇒ソウル⇒成田と飛び続けたツアーだった。ソウルで仕事をし、夕方便に乗ったのにユーラシア大陸をいつまでも夕日を追いかけていつかトロトロ眠くなりモスクワに着いて、ちょっとホテル泊。明けて仕事して、なぜかまた夜行便で北京へ向かうという日程だったけれど、学生時代のような無茶な夜更かしを連続したかなという状況で、成田に戻ったら時差など実感することもなく体はそのまま日本時間だった。
 日程がめちゃくちゃで、超短期だった分、時差を自覚する暇すらなかったのだろうと思っている。
 一方、南米三カ国の県人会50周年式典巡りは、とにかくきつかった。気候逆転、昼夜完全逆転、日本と立っている向きも正反対なわけで、頭と体と血流までも逆転した気分だった。
 先に述べたシベリア往復が何てことなかったからといい気になって、時差のみならず南北アメリカ大陸の広さ大きさを本州・沖縄程度になめきって日程を詰めさせた無茶に加え、青森⇒仁川⇒サンフランシスコ⇒メキシコシティ⇒サンパウロ⇒ブエノスアイレスと5回飛行機を乗り継ぐ丸2日の旅程を甘く考えた自分が全く無謀だった。
 アルゼンチンに降り立った時には、意識と肉体が別のところにあって、カフカの『変身』の文学世界を幾分でも理解してしまった。
 さて、トリノの同邦選手たちは、国際試合に慣れているだろうし、早めに現地で調整しているから時差でどうこう左右されはしなかっただろうけれど、いつも凄いと思うのは、飛んできて翌々日ぐらいには国際マラソンレースに出るランナーとか、競馬の武豊ジョッキーたちが京都競馬に乗っていたと思ったら、その脚でアメリカだドバイだと行ってレースに騎乗、優勝してすぐに帰ってくることである。
 これはトップアスリートたちの気力というのか、あるいは調整力、集中力なのか、何にしてもやはりとてつもなく凄いの一言に尽きる。
 そんなことを呆然と考えているうちに、今日は下北往復の車中計4時間を熟睡してしまった。イタリアから早く日本時間に体を戻して、年度末きりっとよく働こう。

三村 申吾

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