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VOL.36 [2008.1.7]
三線を聞きながら

 年末に百石の実家に帰ったところ、ポロンポロンと聞きつけない音がする。
 ギターでもマンドリンでもなく、まして琴ではない。
 しかし、メロディーは知っている「涙そうそう」だ。おや「ハイサイおじさん」に変わった!?
 ありゃりゃ何ぞやと音の主を訪ねれば、我が妻、三千代が三味線にしては異なるものを弾いている。
 「な、何してるの」と、ドキドキしながらも丁重に問うたれば、
 「あら三線(さんしん)よ。木製だけれど、いい音でしょ。中島みゆき以外にもチャレンジしてるの」と宣った。
 思い起こせば、彼女は東大奏曲研究会でお琴を弾いていた。そして、先日の当欄の「時代」に憤慨していた事を合わせて思い出した。
 しかして、ひきつり気味に言葉を失っていたところ、
 「面白いわよ。春のジャスコの沖縄フェアの応援に行こうかしら」とさらに畳み掛けてきた。
 (念のため解説する。昨秋、琉球ジャスコ30店舗で開催された青森フェアは大成功だったのだが、その答礼として県内ジャスコで今春予定されている沖縄フェアのことを彼女は云っているのである。)
 妻のチャレンジはいつまで続くかわからないが、それはともかく、人類を人類たらしめている要素のひとつに、「好奇心」とそれによる「チャレンジ精神」があると云う。例がふさわしいかはともかく、赤ちゃんの成長の日々を思い出すと、感じるところがある。
 「こりゃ何だ」とキラキラと瞳を輝かせて、自分の指をじーっと何日か赤ちゃんは見ている。
 そして、ありゃ動くぞ、これは自分が動かしているんだとある日気づく。さらに、キラキラキラと瞳は輝いて、これを自由自在に操る事が出来るようになる。
 こうなると、パパ・ママは大変だ。油断できない。
 今度は、それ(指)を上手に使って、いろんな物に明確な意志を持って触れ、匂いを嗅ぎ、口に入れて味をみる。
 空腹という本能よりも、キラキラの瞳を見ていると、これは明らかに好奇心の発するところによる一種のチャレンジだ。
 あの物怖じの無さたるや、見事なものだ。
 赤ちゃんの成長力は、この限りなき好奇心とチャレンジ精神にあると感じる。
 さて、経済の元気のみならず、社会の元気はベンチャー率の高さによると、ひと頃の韓国の例に学んだことがある。
 遅ればせながら、私たち青森県でも昨年ついにスタートアップ基金50億円とベンチャーファンド22億円を創設する事が出来た。
 そして、これに呼応するようにチャレンジャーたちが現れて来た。
 また、それのみならず、例えば、中南地域を中心として、光関連の起業・創業家たちが、自分たちで連繋の勉強会を具体化させるなど、「動き」が出現して来た。
 例えるのは失敬かも知れないけれど、ぐんぐん成長しようとするエネルギーとスピードは、赤ちゃんに負けないと実感する。
 青森の元気、いよいよ緒に就く今年と期待している。

三村 申吾

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