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VOL.51 [2008.2.21]
『阪急電車』
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本屋さんを覗くことが好きだ。これは、旅先でも変わらない。
ちょっとした時間があると、大抵の駅には本屋さんがあるから入って、本を手に取っているうちに電車に遅れそうになる。(携帯のアラームを電車の5分前にしておく事を覚えたので、今や万全!?)
先日、梅田の紀伊国屋に入ったら、平積みで『阪急電車』(有川浩)という本が、だーっと並んで大ピーアールしてあった。
しかし、切れ者中島京子の新作『平成大家族』を電車の中で読もうと探していたので、横目で見て奥へ向かった(その後、十三でネギ焼きコンパになっちゃって、ビールの時はアラームなんてしないから乗り遅れたんですけどね。ここまでは雪を睨んでてきぱき順調でした)。
あちらはざっと100冊、こちら京子ちゃんは3冊、ガンバレ。
『阪急電車』って何か“鉄ちゃん”本かなと思いながら、数時間後、所用を済ませて、また別の駅の本屋。
“Oh(おう)、『阪急電車』オンパレードではないか!”確かに梅田もここも阪急の駅ではあるが、すごいねと思いながらも、帯の
「電車は人数分の人生を乗せて、どこまでもは続かない路線を走っていく−
片道わずか15分。その時、物語が動き出す 」
に惹かれて購入した。
阪急今津線の宝塚駅から、西宮北口駅間の8つの駅毎に往路復路それぞれに、さまざまな登場人物の恋や家族問題などの人生模様が交錯して、中々にシャイな、しかし濁りのない筆で語られるストーリーが読んで爽やかだった。
門戸厄神(もんとやくじん)、甲東園(こうとうえん)、仁川(にがわ)、小林(おばやし)・・・自分にすらなじみと、それぞれに多少なりとも思い出のある駅と街が舞台になっており、駅毎に登場人物もリレー的に変わってゆく。これなら沿線の人はもっとドキドキするだろう。
さすがに阪急電鉄とタイアップではないだろうけど、こりゃ良く売れるし、阪急沿線(街々の暮らしの風景も含めて)トータルの上手な宣伝にもなるなと感じた。
最近、我々もいわゆるお宝を探そうと、例えば、「太宰生誕100年の金山をどう発掘するか」などをテーマに、元気でアイデアあふれる職員たちと活発に勉強している。
阪急さんだけでなく、うちでもこんなタイプの沿線PRができないだろうか。
並行在来線は、駅数が多いけれど、工夫次第だ。奥羽線の青森−弘前間とか、五能線の川部−深浦とかどうだろう。
“都市型タイプはすでに『電車男』があるわけだが、しかし、うちなら高校生の通学とか、魚のかつぎの行商とか、雪で途中で止まるとか、うーん、プロットはすぐ何とか出来そうだな。書き手は誰がいいかな。装丁デザインと印刷所と活字と用紙は、帯コピーは・・・“
などと、つい昔取った杵柄で出版企画書を考えかけてしまった。
“んー、んー”としばらくアイデアを捻ってみよう。 |
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三村 申吾
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