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VOL.59 [2008.3.18]
オジさん、コブクロ&絢香に会う

 「新潮45」の編集長は、まだ中瀬ゆかり君がやっているようだ。彼女は、自分の新潮社時代の後輩である。
 彼女の「オバはん○○○シリーズ」は、実にオバさん視点で見事だと嬉しく思う。
 例えば、今月は、オバはんでもわかる「アントワネット首飾り事件」
    先月は、オバはんに捧げる「二〇〇八年世界の読み方」
    先々月は、オバはんに捧げる「二〇〇七年日本の総括」
 すこぶる元気である。
 彼女は、真に自分の後輩だといえるだろう。
 なぜなら、自分が新潮社を辞めた二十年余の昔、ベテラン編集者のSさんが連れて来たのが、中瀬ゆかり嬢である。
 小柄で可愛らしくて、しかし、いかにもできるぞと感じさせる女の子だった。
 Sさんが云うには「三村君の番号を引き継いだ子を紹介するね」という事だった。
 番号とは、新潮社出版部時代の直通電話の32××―54××の事である。
 仕事その他であちこちに配った名刺によって、彼女の席に直通で“三村くんはいるかい”と電話がかかってきて、迷惑をかけることもあるわけで、お互いに知っておくのもいいかとのSさんの配慮であった。
 今でも若い中瀬君が「オバはんシリーズ」ならば、森高の唄にある通り、
 ♪ゆかりがおばさんになったら、しんごはおじさんよ〜
 ということで、後輩に負けじと「オジさんシリーズ」を企画した。
 「連れてって」シリーズ同様、お笑い下さい。

 そこで、本日は第一弾「コブクロ&絢香」
 さて、コブクロの快進撃というか、次々にヒットを飛ばしていることがうれしい。ここをオジさん語で言い換えるならば、広く“人口に膾炙(かいしゃ)”している事がうれしい。
 もう二年前になる。
 ワーナーミュージック・ジャパンの役員をしている友人に、せっかく東京に来ているなら、夜にいい音楽コンサートがあるからと誘われた。
 訪ねてみたところ、音楽業界のための、いわばプロの会だった。
 主催会社ということで、ホールの前も前、いわばかぶりつきの席で、3mもないところで聴いたのが、コブクロの『桜』だった。
 笑わないで欲しい。小渕君と黒田君でコブクロと云うんだとは、全く知らなかったから、なんで、モツの焼き物の名前を付けたのだろうと本当に本当に思っていた。(つまり玄人っぽい焼肉屋さん等のメニューにある「こぶくろ」かと思ったわけだ。ワハハハハ。オジさんだから)
 『桜』は実にいい曲だった。いい歌詞だった。
 オジさんのハートすら一瞬で捉えて離さなかった。また加えて黒田君のボーカルが、実際に“うっとり”があてはまるくらい気持ちよい上にジンジン来た。(“千の風”に間違いなく勝っていると自分は思う。)
 コブクロに続いて、舞台にはすぐ絢香が登場して、従って同様に目の前3mで、気持ちが深く込められた、なつっこい関西弁で挨拶した。
 “一年前にはドキドキして、どう唱ったらいいか解らなかったけれど、今日は一年前にも披露した自分の大切な歌『三日月』を一生懸命、自信を持って唱いたいと思います。成長した絢香を見てやって下さい”の趣旨だったと思う。
 (もちろん、オジさんは、絢香も平原綾香も区別できていなかったのが事実だけれども、とっても生真面目な挨拶に大変好感を抱いた)
 同じ大阪出身でちょっと先輩のコブクロがにこにこしながら、うんうんって頷いていたことも覚えている。
 ♪繋がっているからねって〜
 と大容量で伸びやかな、どこまでも伸びて広がりよく誰をも惹きつける声で、絢香が唱った。
 その後の彼女の大活躍は、自分如きの説明するところではない。
 『三日月』が終わって、小渕君が“突然ですが、絢香と今日一緒に唱うための曲を書きました。聞いてください”という話になって、3人で唄ってくれた。
 『WINDING ROAD』という曲がそれだ。
 これも実に心に響いた。黒田君と絢香っていう、いい声同志のハーモニーに、こちらがドキドキした。
 三人ともどんなに苦労して努力して挑戦して、こうしてここにあるのかと、感激に震えるオジさんであった。
 その後のコブクロが、若い世代のみならず(オジさん語で)老若男女の間で、大変な人気を博しているのかもよく知らずに、ファンとなった自分は結婚式のスピーチと云えば、お気に入りの『永遠(とわ)にともに』の
 ♪共に歩き、共に探し、共に笑い、共に誓い・・・
 を何度引用して語ったことか!
 そうしたら、あの生田神社である。要するに藤原紀香と陣内智則の挙式と陣内の捧げるラブソングである。
 オジさんは、結婚式のスピーチで引用していた自分の先見性に胸高鳴り、鼻高々だった。
 しかして、さらに驚きは、過日知人の小学一年生たちのカラオケであった。コブクロの『蕾』を、とっても上手に唄って聞かせてくれた。
 小さな子たちも唱いたくなる、安心して唱えるコブクロってすごいねと改めて感じた。
 やっぱりセンバツの入場行進曲に選ばれるだけはあるなと思った。
 さて、このお披露目の会がはねて、会場を離れるにあたって、友人がこっちのエレベーター使いましょうやと関係者出入口に案内してくれたのだけど、そこで役員たちに挨拶にゆくというコブクロ&絢香と一緒になった。
 オジさんもオバはんに負けず遠慮しない性質(たち)だから、
 「とっても、本当に良かったです」
 と、本音で感激を伝えたのだった。
 今やコブクロも絢香もコンサートチケットは発売即完売なのだと聞く。
 だって、オジさんが感動するぐらい確かにいいんだもの。

 “歌は時代の気分を表す”と誰かが言っていた。
 だから、コブクロと絢香には、もっともっとヒット曲を出し続けて欲しい。
 なぜなら、コブクロや絢香の明るく伸びやかで清々しい、愛の気持ちが、この今の時代の気分であって欲しいと心から願うからだ。

三村 申吾

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