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VOL.66 [2008.4.14]
私を「寺山修司展」に連れてって1

 “カモメは飛びながら歌を覚える。人生は遊びながら年老いてゆく”
 日本中央競馬会のCMで、寺山修司本人のボソボソっとした声によるこのコピーを聞いた時、震えたことを思い出している。

 5月11日まで、我が県立美術館で『寺山修司 劇場美術館1935−2008』が開催されている。
 本日、我らローカル鉄道線専門ライターチーム(先日「川部」で発足した)は、例の「トド湯」の弟さん(なんと3月31日まで、美術館副館長だった)の依頼を受け、鉄道ではないけれど路線バスに乗って、ローカル美術館探訪に向かうこととなった。
 弟さん曰く
 「ほら、あの百石あたりから、美術館にヤジ・キタ道中って云うか、郡部の方からやって来て“寺山展”を鑑賞する感じでどうですかね。美術評論ってゆうんでなくって、私たちの県立美術館は誰でも楽しめるっていう事や、寺山展のいろんなオドロキをですね、素直に伝えるっていう感じで、ひと仕事どんなもんですかね。」
 ちなみに自分は、美術館長を兼任している知事である。元副館長の願いには、普段苦労の掛けっぱなしだったからこそ、対応せねばならないのである。
 しかして、本日は、館長としての管理監督業務を離れて、“思い立って、下田の駅から将来の並行在来線(東北線)に乗って青森駅に降り立ち、美術館へゆく百石のオジさんと、青森の姪っ子の道中”という設定になった。
 しかし、下田−青森間JRツアーは(ただでさえ話が冗漫で長くなるので)端折って、青森駅前バスターミナルからのスタートである。

 我々は待ち合わせの青森駅キヨスク前に12時40分に集合した。
 バスの出発は12時48分である。バスだから遅れて来るだろうと高を括ってはいけない(乗り遅れると次は13時25分なのである)。自慢ではないが、空港バスに目の前で出発されて、短距離の脚を活かして青森グランドホテル前に走って乗った事がある。(駅前からのバスはぐるーっと広場を回るから、ガッツがあれば次のバス停で間に合うのである。)
 ちなみに、運転免許センターから青森駅行に乗った事はあるが、美術館へバスで向かうコースは初めてである。
 趣味である路線バスツアーもこの機会に行おうではないか。
 ジャーン、Yさん登場。(別に音がしたわけではないが、こういうレポートでは擬声語は重要である。)

 こういう時は、旅の友キヨスクで何か買わなければいけない。そこで、キャラメルを買って、バスターミナルへ向かった。バスの中でキャラメルなど食べるのが通のバス乗りだ。
 ターミナルだから、番号が沢山ある。
 本日我々は2番乗り場らしい。田舎からオジが来るので、Yさんが事前に調べてくれていた。
 駅からバスターミナルに向かいながら、我々にしては真剣に経済の話となった。
 Y“バスカードを買うと、すごく得なんですよ。”
 オ(ジさん)“へぇー。そうしよう。いつも使ってるの?”
 Y“いいえ、今日のためにネットで勉強したんですよ。今時、1000円で100円分、5000円なら850円分もおまけが付くなんて、銀行でも郵便局でもありません。私のお友達の財形なんか、アメリカのせいで、元金だけですよ。元金だけ。”
 オ“だから、北東北みらい債の方がいいんだってば。”
 Y“日本って、アメリカの債権をいっぱい持ってるんですよね。アルゼンチン国債であんなひどい目にあったのに、大丈夫なんですかね。”
 駅前案内所に着いた。窓口のお姉さんに尋ねた。
 オ“バスカード欲しいんですが。美術館の方に行くんです。”
 姉“いろいろありますよ。普通のもありますけど、10時から16時の買物カードだと300円分お得ですよ。土・日・祝の1日乗り放題だと、500円で美術館往復してもお得ですよ。何回でも、どの路線でも乗れますよ。”
 すごく親切で丁寧に説明していただいたが、後の日程を考えたのと、無くしちゃうと悲しいので、1000円のカードにした。
 2番バス停に立った。
 すぐにバスがやって来た。

 ※早く「寺山修司展」を知りたい皆様のために、青森県立美術館のホームページをご紹介します。
 http://www.aomori-museum.jp/ja/

三村 申吾

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