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VOL.72 [2008.4.23]
私を、洋館とフランス料理の街へ連れてって2

 我々は、M君に仕事先で拾ってもらった。
 ♪行かなくちゃ、行かなくちゃ〜
 とつい森高が口に出る。
 Yさんもこれに合わせる。オジさんたちのアイドル森高千里の歌をYさんは十八番としている。
 しかし、本日まず行く先は、田舎館の垂柳遺跡である。
 水田の泥に残った弥生時代青森人の足跡を、一度は見たいと思っていた。
 送別コンパ前にはちょっとムードが違うけれど、こんなチャンスでもなければ寄れないと考えて、あらかじめお願いしておいた。

 高速道路はやはり便利だ。“時は金なり”と云うが、若干のお金で一気にワープだ。青森インターから黒石インターを経て、40分もかからず遺跡着。(天間林―三沢線も早期完成を!)
 Y“あれぇ、すごい大混雑ですね。こんなに流行っていたって知りませんでした。”
 M“次々左折して行くでしょ。あっちは、JRAの田舎館場外。今日は、GTレースの日だからだよ。我々は直進。ほら、こっちは1台しか居ない”

 オジさんは感激した。
 足跡だ。弥生青森人の足跡だ。現代人よりちっこいけど、前のめりに足の指が大地をしっかりとつかまえている。
 オジさん(以下「オ」と略す)“力強いなあ、土踏まずが発達していい足だ。”
 Y“あれぇ、すごい楽しそうなステップですよ。私が酔っぱらった時の歩き方にそっくりですよ。これきっと、昔の「だく(酒)」で酔っぱらって、気分よくって田んぼの中を歩いてるんですよ。”
 自分も学者先生の稲刈りという分析より、Yさんの説に賛同したくなった。
 確かに千鳥足っぽいし、本当に楽しそうに見えるからだ。
 さて、田舎館名物は、今や国際級(韓国のお客様もこのコンテンツはすごいといって見学に見えるらしい)となった「田んぼアート」だけれど、24万人のお客様の何割の方でも良いから、この「田舎館村埋蔵文化財センター」に寄って欲しい。
 小ちゃな足跡だけれども、確かにこの青森の地、田舎館の地に田んぼをつくり、生きていた人たちに思いを馳せることが出来るからだ。
 この後、我々は八反田八幡様に参詣し、裸参りで毎年元旦に納めるしめ縄を見た。田んぼがいっぱいで藁も豊富だから、地元の人たちが作るしめ縄もでっかい。
 そうこうしているうちに、夕食ディナーに程良い時間となって来た。
 我々は車を洋館とフランス料理の街へ向けた。
 20分ばかりで、Yさん一押しの代官町の名店「シェ・モア」に到着した。
 家人が、よくここのアップルパイを買ってくる。
 日曜の夕方だから、家族連れやカップルでいっぱいだ。
 子供たちが、大人しく美味しそうに食事をしている。子供が食事に行けて、本物の味を知れる店はいい。
 食でもアートでもスポーツでも、何でもそうだろうが、本当の感動を知ってこそ、本物の感動を作ることが出来ると思う。
 洋館とフランス料理の街の子供たちは、本物の味を感じられるチャンスが子供の頃から与えられることで、この食文化を次世代へ繋いでゆくだろうと思う。
 自分としてはお店に感謝したい。
 M“Yさんは何でこの店が気に入ってるの?”
 Y“ランチに2回来たんです。美味しかった。”
 オ“大食いの会で来たのかな?”
 M“すごい会ですね。Yさん知ってる?青森の人って日本で一番胃腸薬を買うんだよ”
 Y“そんな事知りません。大食いには、ランチはちょっと不足です。私、すぐお腹いっぱいになるんですけど、消化が早くて、フーフーって10分もすると次が食べれるんです。”
 M“胃袋が2つあるんじゃないですか。”
 Y“食べてすぐ横になることもあるけど、牛にはなっていません。”
 オ“メニュー見て、決めよう!”
 我々は、親切なお姉さんのアドバイスで、シェフお薦めのコースにする事にした。

三村 申吾

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