linkプロフィール心象スケッチフォトダイアリー政策三村申吾の姿勢ホーム
VOL.85 [2008.7.24]
私を浅虫水族館に連れてって4
 いよいよ、我が満腹トリオは、水族館入り口に立った。
 本日は、親子遠足バス6台が、県南からもつがる市からも来ていて、盛況のようだ。
 昨年は、有料26万人、無料入館の子供たちを含めると35万人の入館者を記録していて、私、美術館長としては、“すごーい!!”と感嘆する所である。
 なんたって、営業と企画の鬼、A部さん以下スタッフの努力の賜と拝察する。
 さて、入館するとすぐ出迎えてくれるのが、ウミガメコーナー。タイマイ、青ウミガメが、何かのーんびり泳ぐとゆうまでもなく、たゆたっている。

Y “やっぱし、鶴は千年、亀は万年、私の好きなお菓子は亀屋万年堂の王のナボナ。ゆったりすることが、長生きの秘訣でしょうか。”
“その若さで、よく王のナボナって知ってるな。”
Y “「ナボナはお菓子のホームラン王です」も知ってます。”
M “えー、巨人ファンなの?”
Y “お菓子はいろいろファンなんです。チョコ系は特に好きだから、旅のお土産はぜひチョコ系でお願いします。”
“昔、検便で虫が居ると駆除用チョコがもらえて、副作用で世界がしばらく黄色く見えるって時代があって、虫から外れたみんながうらやましいってあったよなぁ。”
Y “知りません。そんなアブナそうなチョコは百石だけじゃないでしょうか”
M “自分も聞いたことないですよ。”

 なんとなく旗色が悪くなってきたので、とぼけて話を変えた。

“知ってる、知ってる?カメはしっぽが長いのがオスで、短いのがメスなんだって。”

 探検に燃える我々は、両生類コーナーへ自然と移動した。

Y “カエルツボカビ症って知ってましたか?鳥インフルエンザなんか目じゃない99%致死率で大変なんだそうですよ。輸入もののカエルを飽きて外に捨てたりしたら、地域一帯のカエルが全滅するらしいです。ちなみに、ヤモリは爬虫類で、イモリは両生類って、これだけは生物で習いました。”
M “で、多分、生物の先生が、続けて「タモリは人類です。笑っていいとも」とか云うんだろう”
Y “えー、なんで知ってるんですか。云おうと思ったのに。”
“寒い会話だね・・・”
Y “あ、見て下さい、見て下さい。クロサンショウウオってなんてかわいい顔ですね。オオサンショウウオもいるはずなのに、今日は隠れてますね。”

 我々はウーパー・ルーパーのコーナーへ。

M “メキシコサラマンダーが本名なんですか?エラく強そうですね。こっちの方がクロサンショウウオより自分はすごくかわいいと思うんです。”
Y “それが、オジさん感性。クリオネに行きましょ。なんたって、海の妖精ですよ。へぇー、専用の水槽で1℃って、本当に冷たい海の妖精なんですね。けど、怖いんですよ。ネットで勉強して来たんですけど、エサのマキ貝を2個食べると1年は何も食べずにいいらしいんです。でも、食べる時は、天使が悪魔になるんです。頭のところが、がばりと開いて、バクって。”
“こうしてると本当に氷の妖精って感じなのになぁ。”

 我々の前に、我が水族館の誇るかつて東洋一(残念)の大水槽が出現した。178ミリの厚さが水圧での崩壊を防いでいる。学習をしてきたYさんが、ぶつぶつ解説。

Y “ここには50種類の魚がいます。あれはイサキ、超旨いです。タカサゴ、沖縄ではグルクンです。エイ、星エイ。マンタではありません。こがねしまあじ。ねむりブカ。腹を上に寝てて、態度悪いですね。あ、横にも寝てる。どこにもおっさんがいるんですよね。知ってます。”
M “何を?”
Y “ご教訓カレンダーで、私すごいのを見つけました。「君と巡り逢うのがおっさん過ぎた」と云うんですけど。”
M “誰かおっさんに口説かれたのかい?”
Y “いえ、このブカがそう云ってる気がしました。”
“お、こりゃなんだい。QRコードだ。”
Y “ケイタイをピッとすると、説明してもらえるらしいです。”
“美術館の世界最新ユビキタスにはかなうまい。”
Y “でも、この方が今のところ簡単だし。子供たち向けですね。”

 ここで、館内放送で、ピポポポーンとお知らせが入った。
 どうやら、当館名物イルカショータイムらしい。我々おっさんとポスト・ギャルも移動する子供たちの後を追った。
三村 申吾

Copyright(C) 2006 Shingo Mimura. All Rights Reserved.