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VOL.102 [2009.5.12]
本屋さんへ行こう |
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「おじちゃん、何か楽しめる本はない」と姪っ子に問われたので、
小路幸也『シーラブズ・ユー 東京バンドワゴン』
を教えた。
久々に、読んで幸せ気分になる本だ。ほっとできて、小説は楽しいな、本を読むことはうれしいな、と、ありきたりかもしれないけれど、真正面から感想が云える。
自分としては三浦しおんの『風が強く吹いている』以来の発見だ。
文庫になるまで知らないでいたけれど、結婚式の帰りの電車で何か読もうと寄った駅の本屋さんの棚で自分を待っていてくれた。
小路君はいいな、と心から敬った。なぜなら、読後、いい夢を見て、ぐっすり眠れる小説を書くことを生業(なりわい)としている。
シリーズ一作目も読みたいと『東京バンドワゴン』を探したけれど、どこにも無くて、なんと大暴投をした甲子園近くで見つけることが出来た。
このシリーズでは、登場人物のひとり「我南人(がなと)」が語る“LOVE”がとてもいい。人生のあやを絶妙に、不思議に納得の行く言葉として読み手の共感を誘う。是非とも手にとっていただいて、“LOVE”を感じて欲しい。
書籍の刊行点数が尋常でなく増え、世に喧伝され本屋さんの棚の前に平積みされるのは直木賞とかの賞をとった本や映画化TV化の本という状況下にある。そういった沢山の本の中から、好きになれる本を発掘、発見する楽しみは、かえって昔以上かも知れない。
今や本屋さんへ足を運ぶことは、宝さがしの大探検の楽しみである。玉石混交という言葉があるけれど、どの本も基本的に「玉」であると思う。その中から、自分にとってのお宝をどう発見するかが、人それぞれのよろこびであろう。
さあ、“本屋さんへ行こう”
(ところで森沢明夫『津軽百年食堂』は、お読みでしょうか。青森のお宝食堂が、小説になって映画にもなる──すごいな!ちなみに我が県庁内ベンチャー「まるごと青森情報発信チーム」の仕事の成果のひとつです) |
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三村 申吾
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