「ひとつの時代を思い出す最初の扉みたいなものが、歌であればいいな」
これは、作詞家阿久悠さんの言葉である。阿久さんと言えば、私たち青森の人にとっては
♪(ジャジャジャジャン)上野発の夜行列車降りた時から 青森駅は雪の中……ああ
ああーん 津軽海峡冬景色
と言う事になろうか。
(しかしてちなみに、この歌でイメージが定着してしまった無口な北の人を、自分は殆ど知らない)
さて、阿久さんの書いた幾千と云う歌を、ここに並べることは出来ないが、
自分ですらタイトルを見ただけで、歌詞も曲も思い出す事の出来る作品を、阿久さんのデータから一部拾って見る。
「笑って許して」
「また逢う日まで」
「どうにもとまらない」
「恋のダイヤル6700」
「宇宙戦艦ヤマト」
「北の宿から」
「時の過ぎゆくままに」
「青春時代」
「S・O・S」
「UFO」
「ウォンテッド」
「舟歌」
「もしもピアノが弾けたなら」
「熱き心に」
「時代おくれ」
ジャンルは、ばらばらだけれど、どの歌にも思い出があって、さまざまな時代の、さまざまなことを思い出す。
恥ずかしながらこの中で、マイ・ナンバー1の歌は、多いに悩みつつも、
♪お酒はぬるめの燗がいい 肴はあぶった烏賊でいい……
そう、「舟歌」である。
雪の日が続いて、年の瀬が迫って来ると、いつの間にか、お風呂の中で唄ったりしている。
♪しみじみ飲めばしみじみとーおぉ……… 唄いだすのさ 舟歌を〜
阿久さんが亡くなられて、かれこれもう5年、もしご存命なら今年の紅白で、どんな「時代の扉」の歌が聞けたのだろうか。
阿久さんファンには叱られるかも知れないけれど、自分は“きゃりーぱみゅぱ
みゅ”に歌詞を書いて二人して大化けしたら、面白かったろうなと思っている。
だって、阿久さんは本当に自由自在、ピンクレディと大ヒット連発したんだし、実に予想を裏切る、時代を見抜ける、大天才だから。
「時代を思い出す最初の扉が、歌であればいいな」
行き詰まって、閉塞感だらけのこの時代の扉を、阿久さんがもう居ないとしても、ここは一発“ぱみゅぱみゅ”にぶっ飛ばして欲しい。
ファイト!ぱみゅぱみゅ
キミには、心から期待しているぜ。 |