走る姿を見るのは何でも好きだから、高校駅伝を見ながら急ぎの原稿を書いていたら、有馬記念のテレビ中継になった。
きら星の如きと云う例えがあるが、優駿16頭が皆キラキラ輝いていて、いずれもがアヤメかカキツバタ(ちょっと例えが古すぎるか)で、要するに素晴らしい馬体でゾクゾクッとした。
どれもが優勝しそうだった。
レースは、二番人気あの日本屈指の名牝エアグルーヴの子ルーラーシップが、めちゃくちゃな出遅れをし、大本命ゴールドシップまでもが煽って遅れて、
二頭が最後方と云う大波乱含みで始まった。
途中端折るが、テレビ画面からですら聞こえて来る、どよめきの中、二頭後方のままレースは第3コーナーから急展開し、先ずダービー・天皇賞馬エイシンフラッシュが実に上手く内のいいところをキープして、中山の急坂でスッと先頭に立った。そのままなだれ込んで勝利確保かと思いきや、刺客ブルーオーシャンかこれを差す。
しかして、さらにその大大外を、3コーナーから一気に上昇して来た、大本命ゴールドシップが、馬体を合わせる間もなく、矢のように突き抜けて圧勝ゴールイン。
あの出遅れのルーラーシップは、強烈にゴールドを追い、ゴールまで湧かせ続
けるも、首差オーシャンに届かず三着まで。
いやはや、身震いするようなもの凄いレースだった。
中山の直線は短いが、急坂でこんな大逆転がままにある。
しかし、しかも、こんなことが有馬記念で。
「君は、ヒカリデユール」のコピーとレースを思い出した。
ヒカリデユールは、昭和57年河内洋騎手を背に、怒涛の追い込みで、最後方か
ら有馬記念を差し切った名馬だ。
デジャヴと云う言葉があるが、まるで、これはあのヒカリデユールの再来か!
あの日のあの有馬が再現するなど、夢にも思わなかった。
ヒカリデユールは、大好きな馬だった。
「栄光の数よりも、
栄光への道のりが、
人生を語る。
君は、ヒカリデユール」
さて、今の中山にもどろう。
勝利インタビューに答える内田騎手の、心から馬に惚れ込み感謝する姿と言葉に改めて、
「諦めないこと、信じること」の大切さを思った。
それにしても、あの大オルフェーブルに体当たりをぶちかまして、30分も審
議が長引いたジャパンカップの三冠牝馬ジェンティルドンナと云い、このゴール
ドシップと云い、今年の3歳馬はとんでもない。
「若さは力」だ。
しかし、イオンで5%引きおじさんになった自分も、来年も頑張るぞ! |