はじめは仕事の一環程度の 思いで読んでいたリシャール・コラスさんの著作に魅入られてしまった。
コラスさんはシャネル日本法人の社長さんである。
現在、県として鋭意ライフイノベーション戦略を進めているわけだが、その内のプロテオグリカン(PG)等の関連事業で、今後コラスさんご指導ご助言を賜りたいと考えており、近日ご面談いただける事になっている。
出版されている御本があると云うことで、取り寄せて読み出したところ、PG
事業と並行して、純粋に編集者として一緒に仕事がしたくなった。
今、五冊ある著作の三冊目を読み込んでいる。
ひと言、感動だ。
文庫化までしている集英社は、どこで、この驚くほど日本的繊細な情感と感性にあふれる作家を見いだし、デビューに至らせたのだろうか。
面会いただける当日は、公の仕事だから、PGの可能性について率直にアドバイスをいただかねばならないが、本来の仕事を少し忘れて、ドキドキ時めきそ
うだ。
乙女のきらめく時めき顔と違って、オヤジの初恋顔なんざ、とんだ迷惑だろうが、編集者のこの人と本を出したいっていう時の高揚感は、ほとんど、ド片思い
状況そっくりだから、仕様がない。
仕事は仕事としてビシッとしても、せめて五冊全部にサインを頂いて、お宝に
しようと密かに思っている。
敬愛する岡部伊都子師匠 (日本を代表する随筆家)がお元気だったら、芸術新潮に企画を持ち込んで、それぞれが美しいと思う日本の時と所を選んで12ヶ月巡り歩いて対談して貰い、
「リシャール・コラス 岡部伊都子対談集『美しき日本の譜』」なんて本を出したいなあと、本のページをめくりながら詮なき夢を見ている。 |