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VOL.221 [2015.2.8]
尋ね人
りんごセールスの出張先の本屋の新作コーナーで、作家の谷村志穂先生の文庫本が目に留まった。
旅先のホテルで寝付けない時は、読書に限る。しかし、面白過ぎると目が冴えて、読み続けてしまうから逆効果のこともある。この塩梅が難しい所ではある。
谷村先生は好きな作家だから、結構読んでいる。代表作の一つ、函館舞台の『海猫』は、お薦めしたい濃い作品だ。
 ちなみに、先生のお母様が、函館の生まれでいらっしゃる。
 尚、先生は北海道大学時代、下北半島の猿を研究テーマとしておられた関係で、あの冬の下北の山の小屋に籠もって、我らが北限の天然記念物たる猿たちを、観察し続けた猛者でもある。

本作『尋ね人』は、洞爺丸台風絡みの恋愛物と云う事で、津軽海峡交流圏を進めている自分としては、是非とも読まねばと、購入したのだが、末期の癌の母の半世紀前の恋人を捜すミステリー仕立てに、ぐいぐい引き込まれて、途中で、明日もあるしとひと眠りはしたものの、未明のお手洗い(年だから)の後、どうしても先が知りたくて、一気に読んでしまった。

それから、我ながら“ひゃあそう言えば!”と驚きながらも思い出した。
“ひゃあ”は、あとがきに自分の名前が突如現れた事。
“そういえば”は、ひと昔前に先生と対談した時、洞爺丸事故関連の資料探しに協力した事を、思い出したからである。

文学作品に、寄与出来て少し嬉しくありました。もし、映画化かドラマ化の際は青森駅シーンもいっぱい入れて貰おうと、虫のいい事を考えている。
いやこの際、下北半島の美しくも冬厳しい四季を背景に、天然記念物の猿を研究する美貌の研究者の、恋と苦難と地元民との素敵な交流の物語を書いて頂きたいと直訴しようかと、更に調子よくも案外真面目に考えついたけど、どうしたものか。
そうだ、担当編集者に『朝の八甲田』持って、遊びに行ってみよう(^∀^)ノ
三村 申吾

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