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VOL.222 [2015.2.15]
イントロクイズ
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テレビのクイズ番組の問題の中で、イントロあてには、ほんとに凄いなといつも感心する。
♪ジヤン〜 でもう曲をあてる方々ばかりだ。わいは(゜∇゜)と驚くばかりだ。
いやしかし、♪津軽海峡冬景色や♪悲しみ本線日本海くらいなら、あるいは、これももう古いけど♪森高なら自分も少しは分かるかな。
しかして、そんな番組を見て、プラス、その日、弘前で国文学教授兼図書館長さんと色々お話ししたせいか、厳しい(と云うかやっぱりお笑い系か)試験の夢を見た。
よりによって、東大の恩師久保田先生から卒業口頭試験を受けていて
「はい、では三村君。作品イントロ試験だよ。本になってるのは、作品名と作者か関係人物を答えてね。歌類は、作者か関係人物でいいよ。早い程点数いいよ。ルールは、早い正解は5点で、正しくても遅い程点数減ります。違えたらマイナス1点だよ。答えないとマイナス3点だから、何か言った方がいいよ。全部で10問で30点で通過。そしたら次は山口先生の国語学ね、早速いくよ」
と来た。
―ドキドキ!まさか謡曲なんか出ないよね、困るよねなんて思ってたら
「卒業させたくてする試験だからね。1問目は簡単な所から、『男もすな』」
「ハイ!『土佐日記』紀貫之』です」
「ピンポーン、3点獲得です」
「えーっ早いのに?」
「『男』なら5点、『も』で4点、君はやっと『すなる』で答えたから、3点です。次行きます!文句云ったらマイナス5点だよ。第2問。『秋のけはい立ちゆくままに』」
―わかんない、けどマイナス3点よりは答えよう
「ハイ、道綱の母『蜻蛉日記』」
「ぶ、ブー。マイナス1点。和泉式部でしょ」
― ありゃりゃ。2点に減った。
「第3問。『行く』」
「ハイ!鴨長明『方丈記』」
「よろしい。5点。次!『いずれのおんと』」
「ハイ!紫式部『源氏物語』
「3点ゲット。次『月日は百代の』」
「松尾芭蕉『奥の細道』ですね」
「2点です!卒業大丈夫かな?続いて第6問『波のまにまに命の花が』
―え、まさか演歌はないよな。近松かな謡曲にあったかなあ?
「あれ、わかんないの結婚式でよく聞くよ『兄弟船』だよマイナス3点」
「えー、先生!国文学科の試験で、演歌のイントロ出すんですか!? 」
「抗議出来ません!マイナス5点、君ね、6問目でまだ4点だよ」
「ウッソー、演歌じゃなくて、きゃりーぱみゅぱみゅとか、せめてユーミンにして下さい」
と訳の解らない懇願したら、目が覚めた。
弘前大学のチャーミングな国文学の先生効果か比較的高尚ぽい夢だったのに、兄弟船に行った所が、それなりに今の自分らしくていいのかなと、我が夢ながら笑えた。
暗記する努力をした訳では無いし、そんな繰り返した読んだ訳でも無いのに、今に残る日本の古典それぞれの冒頭であったり、和歌や謡曲や浄瑠璃のサビの言葉や唄いが、何気なく景色をみたりしているときに、ふと浮かんで来る事がある。情感に言葉のシナプスのどこかのスイッチが、入るのかな。
齋藤孝さんが、もっと日本語の文章や表現を大事にしようとおっしゃって下さっている事に、自分も賛成する。
極めて豊かな四季や自然風土に育まれて、感性豊かな心と思いとを繊細に巧みに表現出来る、日本の言葉を、自分もほこりに思いたい。
まずは思考と表現の原点たる日本語の機微をしっかり身につけてから、しかるのちに英語だよなと思う。
最後に『更科日記』(古典集成版秋山虔校注)を引く。
―これは、夢見る田舎育ち少女の、わくわくドキドキの上京の旅と都での切ない現実の日々を、すごく頭のいい筆でしたためた作品。読む度に、この子と私たちの持つ言葉が、いいなあって好きになる。
「あづま路の道の果てよりも、なほ奥つかたに生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを…」
よくあちこちで行われている読み聞かせに、古典文学もあってもよいのじゃないかと図書館長先生に、実際を聞いてみよう。
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三村 申吾
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