古い唄だが、村田英雄の「王将」の一節、
♪あの手この手の思案を胸に〜
との現況で、まず取り敢えずはみんなで踏ん張っている。
みんなとは、我が青森県の攻めの農林水産業の営業宣伝販売を担う、総合販売戦略課を中核とする各部と出先チーム。
思案とは、ありていに言うなら、コロナと新しい生活様式を踏まえた上で、いかに今年の青森産品を経済に変えるか、要は、売り抜けるかである。
もっと具体に言うなら、3000億円超の農業や1000億円りんご産業を核とする、青森県の第一次産業をへたらせない為に、どう青森産品を内外に売りまくるか、と言うことになる。
青森県経済の極めて大きなエンジンの一つたる、第一次産業による経済を回すパワーが落ち込む事は、本県経済の失速につながりかねない。
この春夏を思い出して頂きたい、例えば帆立や青森和牛や花卉等は、県費を投入し給食等に活用することでしのぎ、その他産品は、県産品愛用運動や食堂活用運動を前倒しして実施し、追加実施もして青森県民の皆様に助けて頂いている。
自分たち販売チームも、例年になく早く多く県内スーパー等を回らせていただいた。その甲斐あって、出来秋の現在、本当によく各店のご協力をいただいている。心から感謝している。
りんごについては、幸いにもコロナ寸前に昨年産の台湾香港等圧倒的輸出先へのセールス・販売を終えており、1月2月の東京大阪市場の攻勢も踏ん張れた。たまたまではあるが、タイミングに感謝している。
さあ、しかしていよいよ、今年も出来秋となった。コロナ対策に気を抜かない事はもちろんだが、この農林水産業の分野から経済の底が抜けないための、最大の努力と踏ん張りが求められている。
♪明日は東京へ出てゆくからは 何が何でも勝たねばならぬ〜
の心境である。(歌詞は東京だが、中部も関西も中四国も九州も琉球も、売らねばならぬ。残念ながら戦略を練っていたアジア・アメリカ・フランスは予定が立たない)
国内については、秋になってセールス話をしても遅すぎるのはご承知の通りで、国内の移動制限が取れた6月7月に、各担当のみならず自分自身も、東京ほか、主要取り引き先を回って一定のボス交や営業商談はしておいた。
しかして肝心大切なことは、各地の拠点でお客様に青森産品を知って貰うフェアやイベントは基本だから当然として、加えての経営幹部や各分野の仕入れ担当幹部と我が方の生産者や団体や製造企業や市町村等と産品や新製品等を並べての商談である。
フェアで産品を試して貰い、売り場の棚を確保して(通常取引を守り)、商談会で通常取引きの増加と新産品新製品のお取引きをさらに願うといったパターンで、我々も作り手・生産者も踏ん張って来た。
出口、つまり売り先を確保してこその、平成14年比、農業所得2倍の今につながっている。
少しく現実を申し上げるなら、リンゴのシャツを着ているからりんごが売れまくるのではなく、マグロ解体ショーをやっているから県産魚介類が売れまくるのではない。その後の商談あっての成果なのだ。つまりお客様お相手のPRと場立ちセールスはフェアの一部でしかないのだが、目立つその部分だけが報道されて、いろんな御叱責をいただいたり、逆に、もっと売れるはずだ、毎土日もっとセールス頑張れと気合いをかけられたりしている。
少しく説明をしておこう。
前述したように、フェアだからこその県産品PRの歌も踊りもマグロ解体ショーも、産品毎のコーナーでの場立ちもあるけれど、かなり丁寧にきっちりとした営業商談も、前日や同じ日に行っている。その事も、知っていただきたい。ただ、営業商談は、当然守秘義務事項だから、いちいち何をフェアからの一連のものとして行っているかは、外には出さずに来ただけのことだ。
青森フェア・場立ち・イベント、それに加えての商談という地道な努力を重ね続けての販路維持と拡大、そしてその積み重ねによる農業所得の倍増、昨今のU IJターン300人近くという現場の元気は、何と言われようと守りたいし、さらに攻めたい。
自給率を考えて欲しい。国産食料のしっかりした生産体制を持ち続けられる限り、青森は、未来において、必ず、勝つ。
だが、このコロナの新しい生活様式の下で、私たちのフェアには、課題が出て来た。
スタート年時によって回数に地域差はあるが、毎年ほぼ同じ時期に開催する事、十数回に及ぶ効果として、本来なら大変にありがたい話なのだが、人が集まり過ぎる、つまり、相当に密になるのである。
心から感謝しているけれど、では、どうしたものか??
--次回へ、続く
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